日本のかっぱ話
ブログ一回目なので適当に。
子ども時代の愛読書。
児童文学作家・須知徳平による『日本のかっぱ話』。
表紙の奴、ちょっと怖い。
かっぱとヒトとの関係にスポットライトを当てた話が多数収録されている。もちろんかっぱとは何かという説明にも多くのページがさかれている。
女性トイレの便器の下で、お尻を触るために待ち構えていて、医者の奥さんに伸ばした腕を短刀でぶった切られる、なんて話も。後で切り落とされた腕を泣く泣く返してもらいに行くのですが、腕をくっつけるためにそのとき作った薬を売って、医者の家が繁栄するという落ち。
話としては丸くおさまっている感じなのかもしれないが、それでいいのか。
そのほかにも、武士にいたずらして怒られたり、子どもたちに水泳を教えたり、漁師にリンチにあって殺されたり、まあいろいろある。
顔がさるに似ているとか、全身に毛が生えているとか、体中が緑色でヌメヌメとか、いろいろなバリエーションがあるらしい。
そもそも水虎とか淵ざるとかカムロとか、場所によりいろいろな呼び方をされていたものに、江戸時代くらいに河童という統一の呼称が与えられたというが、果たしてそれらが同じものなのかどうかは個人的には疑問に感じている。ただ水の神様的なポジションらしいことは共通しているように思う。
最後はまるまる引用。
「しかし、ざんねんなことに、現代の日本においては、文明の進歩とか、国土の開発とかいう名のもとに、自然を破壊し、山はくずされ、木はきりたおされ、川やぬまはうずめられ、海はにごり、鳥やけものや魚(うお)などはしだいにすめなくなってきました。
それとともに、かっぱもまた、だんだん姿を消していったのではないでしょうか。
かっぱたちは、あるいはどこかとりのこされた川やぬまの片すみによりあつまって、
「ああ、おれたちの世界はもう終わりか。」
と、嘆き悲しんでいるのかもしれません。」